2024年12月26日
2024年もTOYOTA GAZOO RACING WRTをサポート!
母国ラウンドで躍進! TGR-WRTがマニュファクチャラーズ部門で4連覇を達成
「ラリージャパン」でエバンスが大会2連覇、オジエが2位で1-2フィニッシュ達成
勝田貴元も4位に入賞。WRC2クラスでもPIAAサポートドライバーが躍進!
国内外のレースシーンで多くのチームをサポートしてきたPIAAはラリー競技においてもWRC、JRCなどでサポートを継続している。1982年に横浜ゴムとADVAN-PIAA Rally Teamを結成して以来、WRC(世界ラリー選手権)で活躍しており、1984年に三菱、1986年にフォードをバックアップ。その後も日産やトヨタがサファリラリーでPIAAのライティングシステムを採用するほか、1990年代もスバルや三菱のオフィシャルサプライヤーを務めるなど最前線で活躍してきた。
その技術力は2000年代に入ってからも高く評価されており、2009年にフォードへライティングシステムおよび撥水シリコンゴムワイパーをオフィシャルサプライヤーとして供給するほか、2014年には同年よりWRCに復帰したHYUNDAIへライティングシステムおよびシリコンゴムワイパーが採用されてきた。さらに2017年からは18年ぶりにWRCへ復帰したトヨタのワークスチーム「TOYOTA GAZOO RACING WORLD RALLY TEAM」(以下、TGR-WRT)へライティングシステムを供給開始、オフィシャルテクニカルパートナーとして8年間継続してきた。
TGR-WRTは復帰参戦2年目の2018年にマニュファクチャラーズ部門でタイトルを獲得したほか、2019年にはオイット・タナック選手、2020年にはセバスチャン・オジエ選手がドライバーズ部門でチャンピオンを獲得した。さらに2021年にはオジエ選手がドライバーズ部門で8度目のタイトルを獲得したほか、オジエ選手とコンビを組むジュリアン・イングラシア選手がコ・ドライバー部門、TGR-WRTがマニュファクチャラーズ部門を制し、“三冠”を達成した。
その勢いは2022年も健在で弱冠22歳のカッレ・ロバンペラ選手がトヨタの最新モデル、GR Yaris Rally1 HYBRIDを武器に計6勝をマークして史上最年少でドライバーズ・チャンピオンに輝いたほか、彼とコンビを組むヨンネ・ハルットゥネン選手もコ・ドライバーズ・タイトルを獲得。さらにスポット参戦を行なっていたオジエ選手が第12戦のラリー・スペインで勝利を獲得したことから、計7勝を獲得したTGR-WRTはマニュファクチャーズ部門でもタイトルを獲得し、2年連続で“三冠”を達成した。
これに加えてトヨタの若手育成チーム「TOYOTA GAZOO RACING WORLD RALLY TEAM NEXT GENERATION」(以下、TGR-WRT NG)でGR Yaris Rally1 HYBRIDのステアリングを握っていた日本人ドライバーの勝田貴元選手も躍進。第6戦のサファリラリー・ケニアでは3位入賞を果たし、自身2度目の表彰台を獲得したことも記憶に新しい。
2023年もTGR-WRTは猛威を発揮し、計3勝をマークしたロバンペラ選手がドライバー部門で2連覇を達成すると、ハルットゥネン選手もコ・ドライバー部門で2連覇を達成。さらにエルフィン・エバンス選手が2勝、オジエ選手が3勝をマークしたほか、オジエ選手と3台目のGR Yaris Rally1 HYBRIDをシェアしていた勝田選手も第9戦のラリー・フィンランドで3位表彰台を獲得したことによって、TGR-WRTは最終戦を待たずしてマニュファクチャラーズ部門も制して3年連続で3冠を達成した。
そして、2024年もTGR-WRTは猛威を発揮しており、フル参戦を休止したロバンペラ選手が4勝、オジエ選手が3勝をマークしたほか、レギュラードライバーのエバンス選手、今季よりワークスノミネートドライバーとなった勝田選手も上位争いを展開。
このようにPIAAがオフィシャルテクニカルパートナーとしてライティングシステムを供給するTGR-WRTは2024年のWRCで躍進していたが、最終戦として11月21日~24日に愛知県および岐阜県を舞台に開催された第13戦「ラリー・ジャパン」前まではHYUNDAIチームにマニュファクチャラーズポイントでリードされていたが、シーズンを締めくくる日本ラウンドで素晴らしいパフォーマンスを見せた!!
ララリージャパンは文字どおり、WRCの日本ラウンドで、2004年に北海道帯広市を拠点に初開催。SSは山岳エリアに設定されたグラベルロード(未舗装路)で開催。以来、アジア地区で唯一のWRCイベントとして定着した。2008年には北海道札幌市に拠点を移して開催されたが、残念ながら2010年の大会を最後に日本でのWRC開催は見送られていた。
そのラリージャパンが2022年に12年ぶりに復活した。しかも、舞台は愛知県・岐阜県で、中部エリアのターマックを舞台にまったく新しいフォーマットで開催。日本特有の中低速コーナーが連続する道幅の狭い林道をメインステージとしながらも、部分的にワイドな高速コーナーや住宅街に面した生活道路を使用するなど様々なシチュエーションが設定された。
2023年の大会ではサービスパークが置かれた豊田スタジアム内にデュアルスタート方式のスーパー SS「TOYOTA STADIUM SSS」を新設。2024年には新たにナイトステージとして「Okazaki」が設定されたほか、秋を迎えたこともあって、各デイのオープニングステージおよびラストステージは薄暗いことから、ラリージャパンでは明るいライティングシステムが必須となる。そのため、2024年のラリージャパンにおいても、TGR-WRTを筆頭に多くのサポートチーム、ドライバーがPIAAのライティングシステムを採用して素晴らしい飛躍を遂げていた。
2024年のWRCもついに最終戦を迎え、11月21日~24日、愛知県・岐阜県を舞台に第13戦「フォーラムエイト・ラリー・ジャパン」が開催。愛知県豊田市の豊田スタジアムを拠点に日本ラウンドが開催された。
このラリージャパンにPIAAがオフィシャルテクニカルパートナーとしてライティングシステムを供給するTGR-WRTはレギュラードライバーのエルフィン・エバンス選手、日本人ドライバーの勝田貴元選手、さらに今季3勝を挙げているセバスチャン・オジエ選手がGR Yaris Rally1 HYBRIDでエントリー。21日、Day1セレモニアルスタートを経て、豊田スタジアムで開催されたオープニングのスーパーSSで勝田選手が3番手タイムをマークしたほか、翌22日から本格的な競技が始まってからもTGR-WRTは素晴らしい走りを披露した。
Day2のオープニングステージ、 SS2でオジエ選手と勝田貴元選手が相次いでパンクを喫したが、 SS3でオジエ選手がベストタイムをマークすれば、SS4およびSS7でエバンス選手がベストタイムをマーク。さらにナイトステージ「Okazaki」を舞台にしたSS8およびSS9では勝田貴元選手がPIAAのライティングシステムを装着したGR Yaris Rally1 HYBRIDでベストタイムをマークするなど抜群のパフォーマンスを披露している。その結果、エバンス選手が2番手、勝田貴元選手が4番手、オジエ選手が5番手でDay2をフィニッシュ。
さらにTGR-WRTの勢いは23日のDay3でも健在で、この日のオープニングステージとなるSS10でエバンス選手がベストタイムを叩き出すと、SS14、SS15でオジエ選手がベストタイムをマーク。エバンス選手が総合2番手をキープしたほか、オジエ選手が3番手に浮上するなど2台のGR Yaris Rally1 HYBRIDがポディウム圏内に食い込むこととなった。
そして、最終日24日のDay4ではラリーリーダーのオイット・タナック選手(HYUNDAI SHELL MOBIS WORLD RALLY TEAM/HYUNDAI i20 N Rally1 HYBRID)がこの日のオープニングステージ、SS17でコースアウトを喫したことによってエバンス選手が首位、オジエ選手が2番手に浮上。さらに4番手に浮上した勝田貴元選手もSS20でベストタイムをマークするなどスーパーサンデーで多くのポイントを重ねていった。その攻めの姿勢は、ボーナスポイントがかけられた最終のパワーステージ、SS21でも続き、オジエ選手がベストタイム、エバンス選手が3番手タイムをマーク。この結果、エバンス選手がシーズン初優勝、オジエ選手が2位につけたことで、TOYOTA GAZOO RACING WRTが1-2フィニッシュを達成したほか、マニュファクチャラーズ部門でも大逆転の3ポイント差で4連覇を達成。さらに勝田貴元選手が4位入賞を果たすなど、母国ラリーで日本チームが記録にも記憶にも残る素晴らしいパフォーマンスを披露した。
このように2024年のラリージャパンはTOYOTA GAZOO RACING WRTの活躍が目立つ大会となったが、Rally2およびR5を対象にしたWRC2でもPIAAのサポートチーム&ドライバーが活躍していた。
なかでも素晴らしい活躍を見せていたのが、TGR-WRT NEXT GENERATIONに参加する2期生の小暮ひかる選手で、PIAAのLEDコーナーリングランプを装着したTOYOTA GR Yaris Rally2を武器に初の母国イベントで安定した走りを披露。TGR-WRT NEXT GENERATIONのチームメイト、山本雄紀選手はデイ1のSS1のスピンを皮切りに、デイ2ではスピンや切り株へのヒットを演じたほか、デイ4ではSS18でコースアウトを喫し、残念ながらそのままリタイアとなったが、随所に「速さ」を見せた。小暮選手は総合12位で完走を果たし、WRC2クラスで6位入賞を果たした。 同じくWRC2クラスに目を向ければ全日本ラリー選手権のJN1クラスで活躍している奴田原文雄選手もPIAAの開発中のLEDライティングシステムを装着したGR Yaris Rally2で素晴らしいパフォーマンスを披露。愛知県・岐阜県を舞台にしたラリージャパンは初参戦となったものの、奴田原選手はサバイバルラリーを走破し、総合14位、WRC2では8位で完走。マスターカップで2位につけるなど数多くの注目を集めていた。
一方、日本独自の車両で争われるナショナル部門に目を向ければ、全日本ラリー選手権のJN1クラスで活躍したTOYOTA GAZOO RACING WRJの眞貝知志がPIAAのLEDライティングシステムを装着したDAT仕様のGR Yarisで過酷な日本ラウンドにチャレンジ。残念ながらデイ2の走行前にマシントラブルが発生したことから、デイリタイアを決断したが、再出走後は合計8回のSSウインを獲得するなど抜群のスピードを披露したことも2024年のラリージャパンのトピックスだと言えるだろう。
そのほか、D-SPORT HALFWAY RACING RALLY TEAMの相原泰祐選手もPIAAのLEDライティングシステムを採用したダイハツ・GRコペンでリズミカルな走りを披露している。残念ながらDay3でコースアウトを喫し、デイリタイアを決断するシーンもあったが、メカニックの修復作業により無事に再出走を果たし、ファンの声援を受けながら熱い走りを披露していた。
なお、PRINTSPORTチームでGR Yaris Rally2を駆るサミ・パヤリ選手もPIAAユーザーとして活躍しており、総合8位、WRC2で2位入賞、2024年のWRC2でタイトルを獲得している。さらにTOYOTA GAZOO RACING WRJでGR Yaris Rally2を駆る勝田範彦選手もPIAAユーザーとしてWRC2で活躍しており、WRC2クラスで7位につけたほか、マスターカップで優勝。また同じくGR Yaris Rally2のヤン・ソランス選手、クリス・イングラム選手もPIAAユーザーで、ソランス選手は11位、イングラム選手はリタイアに終わったが、日本のワイディングでエキサイティングな走りを披露していた。
このように2024年のラリージャパンも脱落者が続出したサバイバルラリーが展開されることとなったが、PIAAのサポートドライバー&チームはPIAAのランプシステムを武器に安定した走りを披露することで、改めてPIAAの技術力を証明したのである。
ドライバー:奴田原文雄選手 /Fumio NUTAHARA
ヌタハララリーチーム/NUTAHARA Rally Team
マシン:TOYOTA GR YARIS Rally2(KTMS GR YARIS Raal2)
今回、初めてWRC Rally Japanの愛知、岐阜大会に参戦しましたが、全日本ラリー以上のSS距離、ターマック(舗装路)ならではのハイスピードレンジで、なおかつ特にDay2の後半のSSは林道内の暗さ、岡崎SSSは照明設備が一部あったものの完全にナイトステージ設定だったので、PIAAのLEDランプをSS4のあとに設定されていた稲武のタイヤフィッティングゾーンで装着してとても助かりました。 今回、PIAAスタッフからは開発途中のランプですが、是非実践で評価してほしいということで、今までのPIAAランプの信頼性があったので使わせてもらいました。結論から言うと、今まで全日本ラリーなどで使用していたものより遥かに明るく、ナイトステージのサポートとなったのですが、やはりWRCの設定したSSはハイスピードなコースが多かったので、そこは欲を言えばさらに長距離を照らすランプがあると最高速からのブレーキのタイミングなど少しでも余裕が持てるようになるのでパーフェクトだと思いました。
チーフエンジニア:山田淳一/Junichi YAMADA(RUTS RACING)
ヌタハララリーチーム/NUTAHARA Rally Team
これまでもPIAAの新しいライティングシステムを長年装着してきましたが、Rally2マシンはスピード領域も高く、今まで以上に遠距離の照射が必要なのでは考えていました。選択肢は二つあり、前方向を照らすランプとワイドに照らすランプの組み合わせのパターンと、前方向を照らすランプだけを4連にして照射角度のセッティングするパターンを事前に試しましたが、WRCのコース特徴であるハイスピードレンジを想定して前方向x4連を選択しました。結果、選択した組み合わせは正解だったのですが、奴田原選手のコメントの通りWRCイベントにおいてはさらに長距離を照射するスペックが求められると思いました。横方向を照射するコーナーリングランプはかなり効果がありタイトコーナーで性能を発揮しました。 これまでもPIAAは国内外の実戦やテストを通じて製品の改良などを繰り返してきたメーカーなので、さらに改良した製品に期待したいです。
ドライバー:相原 泰祐選手/Taisuke AIHARA
D-SPORT HALFWAY RACING RALLY TEAM
マシン:DAIHATSU GR COPEN
昨年はPIAA製のLEDライトバーをフロントグリルに装着し照射光は良かったのですが、グリルの開口面積が少なくなったことでマシンの冷却に影響があったために、今回は純正バンパーのダクト部分に超小型の新作LEDランプ(220R)を装着しました。小型ながら明るさは十分でしたが強いてリクエストするならよりワイド光があると良かったと思います。もちろん、ヘッドライトのハイビームはPIAA製の最新の超高輝度LEDバルブやウィンカーにもPIAA製のLEDバルブを装着しナイトステージでは注目度が高かったと思います。